その4 単独工事を避け無駄を省く
耐震補強をする場所の多くは、普段見えないところです。工事をするときには、一度はその回りもはがさなくてはなりません。部分的であっても、壊しとと復旧で二重の余分な費用がかかりますし、復旧後の見栄えも気になります。
単独で耐震補強工事を行なうと、こうした無駄が発生しやすいのです。できるだけ壊さずに済む方法を取り入れたり、何か別のリフォーム工事と一緒に行うほうが合理的です。
外装面で耐震補強する場合、再仕上げや防水は気になるところです。部分的な改修ではかえって中途半端になってしまいがちです。特に古い住宅は、目ではわからない歪みや柱の倒れが多くあります。ここにきちんとした寸法、角度で補強材などを収め込むのは結構い手間がかかります。このような時は、既存部分との間に調整剤などを入れ、思い切って外付けするなどすれば、意外と見栄えは悪くなりません。
また室内に補強壁を新設する場合は部屋の空間を遮り、インテリアなどを整えにくい時があります。下の図に示すようにあえて筋かいを露出して見通しを良くするなど、気にならないデザインなども考えてみましょう。どんなに高性能でも、毎日目にする場所に違和感を残しては、良いリフォームとは言いにくいものです。
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